日本語で読めるブラジル文学
本屋さんに常備されている作品はほぼないと思います。ネットで検索を!
オススメを3冊選ぶとしたら
砂の戦士たち
丁子と肉桂のガブリエラ
イラセマ
写真の左上から紹介していきます。
まずは一番好きなブラジル人作家Jorge Amado作品から
“砂の戦士たち” Capitães da Areia
1937年の作品。ブラジルの古都Salvadorを舞台に、生きるために盗みをせざるをえないストリートチルドレンの生活をドキュメンタリータッチで描いている。
ドラマや映画にもなっており、ポルトガル語だけですが興味のある方はYouTubeにアップされているので見てみてください。
登場人物もJoão Grande, Sem pernas、professorなど、キャラクター通りに呼ばれているので、少しポルトガル語が分かると人物を想像しやすいでしょう。
”丁子と肉桂のガブリエラ” Gabriela, cravo e canela
1958年の作品。ベストセラーになり映画化もされている。これもポルトガル語だけですが、YouTubeにあります。
バイーア州イリェウスを舞台にした作品。少し映像を見てから読むと何となく作品中のイメージがつきやすいです。
当時のブラジル人の格好や街並みなどは知らないと現代から想像するのは難しいでしょう。
内容はちょっとエロスです!
”カカオ” Cacau
1933年の作品。北東部のカカオ農園を舞台にした作品。
当時の土地争いは想像を超えている!
作者はカカオ農園生まれなので、農園風景は実体験に基づいているのかもしれません。
カカオのスペルは要注意ですね!
Cacau
”果てなき大地” Terras do sem fim
1943年の作品。これもバイーア州イリェウスを舞台にした作品。
作者の父親も土地をめぐって2度撃たれてるそうです。追加で女性をめぐって一度撃たれている!!
まさに作品の物語そのもの。殺し屋に狙われたそうです。
“イラセマ” Iracema
ブラジル文学の父アレンカール著1865年作。
インディオの女性と白人男性の愛。民族融合によるブラジル人誕生を描いている。
サンバの名曲” Aquarela Brasileira”の歌詞の中にもこのタイトルが出てきます。
“遥なる調べ” Música ao Longe
エリコ ヴェリッシモ著 1936年。
少女から女性を移る時期の多感な主人公の葛藤を描く青春小説。
ブラジル版赤毛のアンだそうです!
”ドン カズムッホ” Dom Casmurro
マシャード ジ アシス著。1899年。
妻と親友の裏切りによって主人公が苦悩する日々を描く。
“砂糖園の子” Menino de Engenho
ジョゼー リンス ド レーゴ著。1932年作。
北東部パライーバ州が舞台。
ブラジル北東部の家父長的、封建体制の基盤が揺るぎ始めた斜陽期における砂糖園を描いた長編の大河小説。
ブログを書きながらまた読んでみたくなりました。
ブラジル人の作家の日本語訳はまだまだ少ない。
特にJorge Amado作品の更なる出版、電子書籍化を願っています。
白井翔太郎